新居での暮らしに向けた準備や、これからの人生設計で何かとバタバタする日々が続いていましたが、この週末は少し息抜きをして、妻と1泊2日の温泉旅行に出かけてきました。
温泉は、もともと夫婦二人の共通の趣味。忙しい毎日の中でも、こうして二人で湯めぐりを楽しむ時間だけは、これからもずっと大切にしていきたいと思っています。
今回は、アートに触れ、何種類もの豊かな温泉に浸かり、大自然の絶景を駆け抜けた、夫婦水入らずの旅の記録をお届けします。日常から少し離れて大切な人と過ごす時間の価値について、何か生活のヒントや共感できる部分があれば嬉しいです。

1. アートと絶品うどんで、旅の幕開け
自宅から愛車を走らせること約180キロ。高速道路をスムーズに走り抜け、まずはアートと美味しいもので有名な山あいの美しい街へ向かいました。
到着してまず向かったのは、風情ある老舗のお食事処。ここでいただいた、細打ちでつるつるとした喉ごしの冷やしうどんが絶品でした。妻は香ばしい「くるみのだし汁」、私は定番の「醤油だし」をチョイス。旅先での最初の食事が美味しいと、一気に気分が上がりますよね。
お腹を満たした後は、お目当ての美術館へ。ちょうど開館50周年の特別展が開催されており、アメリカの有名なコレクションから里帰りした、江戸時代の素晴らしい「花鳥版画」の数々を観賞しました。雀やツバメなどの小さな鳥たちが生き生きと、そして本当に愛らしく描かれていて、当時の絵師たちの繊細な筆遣いに夫婦で時間を忘れて見入ってしまいました。




2. ノスタルジックな渋温泉と、お祭り騒ぎの夜
美術館を後にし、地元の人気スーパーや直売所に立ち寄ってローカルな雰囲気を楽しんだ後、いよいよ今回の目的地、渋温泉へ。

ここは、石畳の路地と古い木造建築が立ち並ぶ、まるで大正や昭和にタイムスリップしたかのような、非常にノスタルジックな佇まいの街です。今回お世話になったのは、アットホームな雰囲気が魅力の「渋・白銀屋」。この温泉街の素晴らしいところは、宿泊客限定で、街に点在する複数の「共同浴場(外湯)」を専用の鍵を借りて自由に巡ることができる点です。
到着後、早速外湯めぐりへ。初日は、鉄分を豊富に含んで茶褐色を帯びた名物湯と、目に良いとされるお湯の2箇所に入浴しました。じんわりと体に染み入る素晴らしい泉質に、日頃の疲れがすうっと溶けていくのを感じました。こうして二人で違う湯を巡りながら「次はどこに入ろうか」と相談する時間も、この旅の好きなところの一つです。








夜、お囃子の賑やかな音に誘われて通りに出てみると、ちょうど地域のお祭りが開催されていました。歩行者天国になったレトロな石畳の道を、浴衣姿でぶらぶらと散策。さらに、あの有名なアニメ映画に登場する建物のモデルとも言われる、美しくライトアップされた老舗旅館の佇まいを目の当たりにし、その幻想的な美しさに夫婦そろって言葉を失いました。



宿での夕食も、まさに感動の連続でした。自家製の濃厚な梅酒から始まり、新鮮なお刺身、優しいお出汁が染みた海老と野菜の炊き合わせ、そしてごまだれとポン酢の2種類のタレでいただくしゃぶしゃぶ。さらにはアボカドやチーズを使った和洋折衷の創作料理まで、炊き立ての熱々のご飯とともに、お腹がいっぱいになるまで堪能しました。

3. 朝の「外湯めぐり」と、痛恨のうっかり
翌朝は6時半に少し早起きをして、朝食前の時間を利用して、残りの外湯を制覇すべく再び街へ繰り出しました。朝の澄んだ空気の中、カランコロンと下駄を鳴らしながら、複数の湯を順調に巡っていきます。
しかしここで、まさかの「うっかりミス」が発生!近くにある日帰り温泉施設と、4番目の外湯を勘違いしてしまい、なんと1箇所だけ入りそびれてしまったのです。
「あと一歩でコンプリートだったのに!」と悔しがる私に、妻が「また次に来る楽しみができたね」と笑ってくれたことで、これもまた旅のエピソードになりました。こういう小さな失敗を、責めるでもなく笑い合える。これこそが、夫婦で旅をする一番の醍醐味なのかもしれません。
4. 雲の上の絶景ドライブと、旅の締めくくり
宿を後にした私たちは、お土産に地元で昔から愛されている小さなお菓子屋さんで名物の「ぐるぐる渦巻きの菓子パン」を買い込み、標高2,000メートルを超える雲の上のドライブウェイへ向かいました。
県境のちょうど真上に建つユニークなホテルの前で記念撮影をし、展望台へ。そこから見渡したのは、草木が生えておらず、そこかしこから白い煙が立ち上る、まるで別の惑星(あるいは火星!)に来たかのようなダイナミックで荒涼とした山肌。地球の凄まじいエネルギーを肌で感じる、圧巻の絶景でした。並んでこの景色を眺めながら、妻と「また来ようね」と自然に言葉が出てきたのが、何より嬉しい瞬間でした。

帰り道には、道の駅や直売所に立ち寄り、今が旬の「桃」をたくさん購入。帰宅後、さっそく冷やして一口かじると、口いっぱいにみずみずしい甘さが広がり、旅の余韻に深く浸ることができました。

■旅を終えて:これからもずっと、夫婦で温泉巡りを
今回の旅行を通して、改めて感じたことがあります。
新居の準備や、将来に向けた計画など、私たちはどうしても「これから」のために今を忙しく過ごしてしまいがちです。ですが、特別な贅沢をしなくても、
– 美しい景色を並んで眺めること
– 美味しい食事を「美味しいね」と言い合って食べること
– うっかりした失敗を笑い合えること
こうした、大切な人と心地よい時間と感情を共有することこそが、何より価値のあることなのではないでしょうか。
温泉巡りは、これからもずっと夫婦で続けていきたい共通の趣味です。いずれ仕事が一段落するタイミングが来たとしても、今回のように二人でふらっと湯めぐりに出かける関係でいたい。そんな将来の楽しみが、また一つ増えた旅になりました。
皆さんも、次の週末は大切な人を誘って、少し日常を離れてみませんか?
それでは、また次回の記事でお会いしましょう!